研究概要 |
1)HDAC阻害剤の子宮内膜癌への抗腫瘍作用のin vivoにおける解析 子宮内膜癌細胞株(Ishikawa,1x10^7細胞/body)を生後8週のヌードマウス皮下に移植し、腫瘍を形成させた。皮下腫瘍が100mm^3に達した後、HDAC阻害剤(TSA,SAHA)を尾静脈より投与を行った。コントロール群と比較しHDAC阻害剤投与群における抗腫瘍効果を確認した。また、TSAの抗腫瘍効果がSAHA群より高い結果を得たが、その原因に関しては前年の検討からCyclin A2発現抑制効果の差異が関与すると考えているが、更なる検討が必要である。 2)子宮内膜癌浸潤能への低酸素環境の関与とHDAC 子宮内膜癌細胞(Ishikawa,Hec-1B)を低酸素下で培養しE-cadherinの発現と細胞浸潤能に対する影響の検討を行った結果、低酸素環境で子宮内膜癌細胞株において E-cadherinの発現低下、HIF-1α発現亢進を確認した。一方、HDAC1,HDAC2の発現に変化は認めなかった。また、低酸素環境でめ浸潤能が亢進していることをmatrigel-invasion assayにて明らかにした。 今後、低酸素環境下におけるHIF-1α発現へのHDAC阻害剤の影響に関して検討を行なってみたい。
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