ヒストン脱アセチル化酵素(HDACs)は様々な悪性腫瘍で発現亢進が報告されているが、子宮内膜癌での発現に関しては不明であった。我々は子宮内膜癌においてHDAC1、HDAC2およびHDAC3発現亢進を明らかにした。更に、HDAC2が高グレードの癌でより発現が亢進しており、患者の予後不良と相関することを見出した。HDAC阻害剤であるTrichostatin A、Apicidine、SAHAは内膜癌細胞株で増殖抑制作用を認めたが、p21の発現増加、サイクリンAの発現増加によることが明らかとなった。更に、サイクリンAのサイレンシングはHDAC阻害剤の抗腫瘍効果を増強することが示された。以上の結果から、子宮内膜癌においてHDAC2が増殖能と高侵襲性に関与し、HDAC阻害剤が有望な抗がん剤であることが示唆された。
|