卵巣癌患者の腹水から採取したTAMからIL-6の分泌を認めた。卵巣癌細胞株はこの細胞との共培養により増殖能・浸潤能が著明に亢進したが、それは抗ヒトIL-6受容体抗体により抑制された。各種卵巣癌細胞株でIL-6受容体が正常卵巣上皮と比べて強発現していることを確認した。免疫不全マウスにSKOV3ip1細胞を投与して作成した腹膜播種モデルに、抗ヒトIL-6受容体抗体を投与したところ、腹膜播種病変、腫瘍重量、腹水産生が有意に抑制された。抗ヒトIL-6抗体治療は卵巣癌治療の新たな選択肢となりうる可能性が示唆された。
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