研究概要 |
1.昨年度までに注目した、免疫抑制分子B7タンパク(PD-L1,B7-DC,B7-H2,87-H3,B7-H4)、代謝酵素(IDO,arginesel)のうち、どの分子が子宮体癌の予後と関連するかを検討した。45例の子宮体癌患者組織で免疫抑制分子の遺伝子発現量を定量的PCR法で検討し、無病生存期間との関連を検討した。結果、有意に相関しているものはなかった。このため、これらの分子とは別の予後と関連する分子を同定しその分子が局所免疫に与える影響を検討することとした。 2.我々は、子宮体がんの免疫療法に応用する目的で標的分子のスクリーニングをSEREX法で行った。SEREX法では、子宮体癌ファージライブラリーを新鮮子宮体癌を移植した免疫不全マウスの血清でスクリーニングした。この結果15種の候補遺伝子を得、このうち各種データベースから癌の悪性化に関与する候補遺伝子としてMYEOVを同定した。 3.45例の子宮体癌患者組織でMYEOVの遺伝子発現量を定量的PCR法で検討し、無病生存期間との関連を検討した。結果、MYEOVの高発現群では低発現群に比べて有意に再発率および無病生存期間が短かった。 4.MYEOVの子宮体癌細胞での灘検討するため、siRNAによるMYEOVの発現抑制を行ったところ、有意な運動能の低下を認めたが増殖能に変化はなかった. 5.子宮体癌でのMYEOVの発現が免疫関連分子に与える影響を検討するため、子宮体癌細胞株SNG2でMYEOVを発現抑制し、gene-chip解析によって免疫関連遺伝子の発現が変化するか検討した。その結果、2倍以上に発現が増強したものはIL-6,CBLB,CTSS,RNASE7,TBKBP1,AQP3,HLA-DPA1,TNFSF13Bであり、1/2以下に抑制されたものはPRELID1,ILIF8,XCL2,GTP8P1,MICBであった。.
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