研究課題
本年度は、チロシンキナーゼSRCの種々の変異体を発現するアデノウイルスベクターの構築を行った。特に、構成的に活性化している活性化型SRC(dominant active SRC;DA-SRC)を発現するウイルスベクターの構築を主に行った。当初は、DA-SRCのcDNAをpShuttleベクターに挿入した後に、それを含む全発現カセットをI-Ceu IとPI・Sce Iの制限酵素で切り出し、予め両制限酵素で処理されているAdeno-X viral DNAに挿入する戦略を採用した。条件を適宜変えながら様々な方法でウイルス構築を試みたが、目的のアデノウイルスは得られなかった。そこで、新しいversionであるpShuttle2ベクターに変更して最初からやり直したが、DA-SRCアデノウイルスは得られなかった。この結果をふまえて、DA-SRCレンチウイルスの作成、あるいは第三者からのDA-SRCアデノウイルスの供与に戦略を変更した。一方、脱落膜化に伴って発現が上昇するプロラクチンおよびインスリン様成長因子結合蛋白1型(IGFBP-1)については、それぞれの発現プロモーターを有するルシフェラーゼレポータープラスミドを用意し得た。プロラクチンについては第三者から供与を受ける一方、後者については、ヒトゲノムから目的のIGFBP-1プロモーター領域をPCRクローニングしてPGL3レポーターベクターに挿入した。以上、本年度は、次年度の研究につながる種々のマテリアルの準備を行った。
すべて 2010
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Hum Reprod.
巻: 25 ページ: 2059-2067