研究課題
今年度はまず、同意を得られた子宮筋腫の患者から正常子宮内膜組織を採取し、コラゲナーゼ処理し細胞を初代培養した。Aldefluor kitsを用いて、ALDH1活性を解析したところ、5例中3例にALDH1活性のある細胞集団をみとめた。高ALDH1活性細胞と低ALDH1活性細胞を分取した。分取した高ALDH1活性細胞と低ALDH1活性細胞を抗ALDH1抗体で染色し、発現を確認した。HER2の発現をリアルタイムPCRにより解析したが、有意な発現の差はみとめなかった。次に子宮体癌細胞株Hec1よりside population (SP)細胞とnon-SP細胞を分離した。両者の細胞増殖能・ヌードマウス上の造腫瘍能、time-lapse videscope観察下での細胞運動能を解析したところ、SP細胞はnonSP細胞に比べ分化マーカーの発現が低下、長期増殖能・自己複製能を示し、運動能が著明に亢進していた。また、造腫瘍能も著明に亢進しており、腫瘍細胞だけではなくvimentinやαSMA陽性の間質に富む腫瘍を形成した。さらにIn vitroでもSP細胞はαSMA発現細胞への分化を示した。以上より、子宮体癌細胞株Hec1細胞のSP細胞は癌幹細胞の性質を示し、著明な運動能亢進と間葉系細胞への分化能が子宮体癌幹細胞の特徴であると考えられる。それぞれの細胞におけるALDH1の発現をリアルタイムPCRにより解析したところ、SP細胞において有意に発現の亢進をみとめALDR1は子宮体癌幹細胞のマーカーであることが示唆された。
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心臓
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