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2011 年度 実績報告書

胎盤におけるマイクロRNA発現メカニズムと機能解析:IUGRの新たな分子基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 22791553
研究機関日本医科大学

研究代表者

菊池 邦生  日本医科大学, 医学部, 講師 (70374676)

キーワード産科学 / 胎盤 / microRNA
研究概要

本研究は、ヒト胎盤栄養膜において特異的に発現しているmicro RNA(miRNA)遺伝子の分子機能および発現制御の解析を主に分子細胞生物学の手法を用いて行った。さらに、この胎盤特異的miRNAが、胎児発育遅延においてどのような役割を果たしているかを明らかにする分子基盤研究を目的に研究を行った。1)ヒト胎盤栄養膜特異的miRNAの分子機能解析:これまでにヒト胎盤栄養膜特異的に発現していると明らかになっているmiRNAの一つをいくつかの培養細胞に過剰発現させると、アポトーシスを誘起するということを見出している。さらに詳細なカスペース解析を進めたところ、ミトコンドリアを経由したアポトーシスが惹起されていることが分かった。このことは胎盤でのアポトーシスがシグナルによって厳密に制御されていることを示していると考えられる。2)ヒト胎盤栄養膜特異的miRNAの発現制御解析:ヒト胎盤栄養膜特異的miRNA遺伝子の上流域にはDNAメチル化サイトが存在する。これまでに、このmiRNA遺伝子を発現していない細胞(HeLaなど)にDNA脱メチル化剤5-aza-2'-deoxycytidineを添加したところ、発現の上昇を確認している。そこで、ヒト胎盤絨毛癌由来の細胞株BeWo、JEG3およびHeLa細胞からDNAを単離し、Bisulfite sequencing法によって、メチル化状態を解析した。その結果、胎盤特異的miRNAを発現するBeWo、JEG3細胞では脱メチル化状態であったのに対し、miRNAを発現していないHeLaではメチル化されており、発現とメチル化状態が相関していた。この結果より、胎盤特異的miRNAの発現がエピジェネティックな制御を受けていることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アポトーシスのシグナル解析が進展したこと、および、miRNA遺伝子のメチル化サイト解析が進んでいることから、本研究は胎盤特異的miRNAの機能面および発現メカニズムの両面から達成度はおおむね順調と考えられる。

今後の研究の推進方策

今後はさらなるアポトーシスシグナルの解析を進める。またmiRNA遺伝子のエピジェネティックな制御についても詳細を解析する予定である。さらに胎盤の臨床サンプル解析も進めていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Genes that integrate multiple adipogenic signaling pathways in human mesenchymal stem cells2011

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Ito
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 409 ページ: 786-791

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2011.05.089

    • 査読あり
  • [学会発表] 絨毛外栄養膜細胞に発現しているCD44の機能解析:HTR8/SVneoを用いた浸潤能の検討2011

    • 著者名/発表者名
      菊池邦生
    • 学会等名
      第26回日本生殖免疫学会
    • 発表場所
      ウィンク愛知(愛知県)
    • 年月日
      2011-12-03
  • [学会発表] 胎盤由来エクソソームを介した胎盤-母体間コミュニケーション2011

    • 著者名/発表者名
      菊池邦生
    • 学会等名
      第19回日本胎盤学会学術集会
    • 発表場所
      東京ステーションコンファレンス(東京都)(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-01

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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