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2010 年度 実績報告書

胎児ー母体間免疫におけるトリプトファン誘導体の作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22791557
研究機関川崎医科大学

研究代表者

岡本 威明  川崎医科大学, 医学部, 助教 (20398431)

キーワードインドールアミン酸素添加酵素 / 胎盤 / 絨毛膜羊膜炎(CAM) / 早産 / 免疫寛容 / トリプトファン / プロスタグランジン / Western blot法
研究概要

トリプトファン分解酵素の一種であるインドールアミン酸素添加酵素(Indoleamine 2,3-dioxygenase; IDO)は,ヒトの肺,小腸胎盤などの多くの組織に分布し,種々の感染症や炎症で強く誘導される.IDOは免疫システムにおいて重要な役割を担っている.そこで,本年度は,胎盤および羊膜・絨毛膜・脱落膜におけるIDOの発現をWestern blotting法により検討したところ,胎盤では全検体ともIDO発現が認められたが,羊膜・絨毛膜・脱落膜では,ステロイド治療などを受けた特異的な検体のみに発現が認められた.特に胎盤におけるIDO発現は,妊娠初期で,妊娠中期・後期と比較すると低値を示した.また,絨毛膜羊膜炎(CAM)の病歴を有する妊婦の胎盤におけるIDO発現は,正常な検体と比べると高値を示した.一方,全身性エリテマトーデス(SLE)の病歴を有する妊婦の胎盤では低値を示した。さらに,通常分娩群(中絶,誘発分娩,吸引,通常分娩)と帝王切開群および緊急帝王切開群の3群におけるIDO発現の比較を行ったところ,緊急帝王切開群が他群と比べて高値を示した.これらの結果より,胎盤におけるIDOの発現には,妊娠週数,疾患の有無および分娩様式など様々な要因が関与することが示唆された.さらに,CAM感染により,炎症性サイトカインが産生され,子宮収縮物質であるプロスタグランジンが産生されることより妊娠中の早産の原因となることが報告されている.よって,CAM感染とIDO発現との関連性が明らかになれば,妊娠中の早産等の病態とIDO発現との関連性も見出せるのではないかと思慮する.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Immunostimulatory in vitro and in vivo effects of a water-soluble extract from kale2011

    • 著者名/発表者名
      Kosuke Nishi
    • 雑誌名

      Biosci.Biotechnol.Biochem.

      巻: 75 ページ: 40-46

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Monocyte trans-endothelial migration augments subsequent transmigratory activity with increased PECAM-1 and decreased VE-cadherin at endothelial junctions.2010

    • 著者名/発表者名
      Ken Hashimoto
    • 雑誌名

      Int.J.Cardiol

      巻: (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] カゼイン由来ペプチドがラット好塩基球様細胞株(RBL-2H3)の脱顆粒に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      岡本威明
    • 学会等名
      日本農芸化学会大会
    • 発表場所
      京都女子大学(京都市)
    • 年月日
      2011-03-27
  • [学会発表] PAA suppresses the induction of indoleamine 2,3-dioxygenase in interferon-γ-stimulated human eosinophil cells2010

    • 著者名/発表者名
      Takeaki Okamoto
    • 学会等名
      The 23rd Annual and International Meeting of the Japanese Association for Animal Cell Technology
    • 発表場所
      Hokkaido Univ.(Sapporo)
    • 年月日
      20100901-20100904
  • [学会発表] トリプトファン過剰摂取による好酸球増多筋痛症発症機序の解明2010

    • 著者名/発表者名
      岡本威明
    • 学会等名
      第32回日本トリプトファン研究会学術集会
    • 発表場所
      滋賀県立大学(滋賀県)
    • 年月日
      2010-12-05
  • [学会発表] トリプトファン摂取による好酸球増多筋痛症発症のメカニズム2010

    • 著者名/発表者名
      岡本威明
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会,第83回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県)
    • 年月日
      2010-12-05
  • [学会発表] サプリメント(栄養補助食品)の安全性の評価~男女にいきいき健康に~2010

    • 著者名/発表者名
      岡本威明
    • 学会等名
      倉敷市男女共同参画推進センター セミナー
    • 発表場所
      倉敷市男女共同参画推進センター(倉敷市)
    • 年月日
      2010-11-14
  • [学会発表] 栄養補助食品(サプリメント)の安全性評価2010

    • 著者名/発表者名
      岡本威明
    • 学会等名
      知的生産の技術研究会・岡山支部 設立12周年記念講演会
    • 発表場所
      岡山国際交流センター(岡山市)
    • 年月日
      2010-06-25
  • [備考]

    • URL

      http://www.kawasaki-m.ac.jp/med/study/info.php?id=104

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公開日: 2012-07-19  

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