• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

胎児―母体間免疫におけるトリプトファン誘導体の作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22791557
研究機関愛媛大学

研究代表者

岡本 威明  愛媛大学, 教育学部, 講師 (20398431)

キーワードindoleamine 2,3-dioxygnase / 絨毛膜羊膜炎 / 早産
研究概要

日本における早産の確率は約5%であり、早産の主な原因であるCAMは全妊婦の約1%が発症している。本研究では、妊婦の胎盤および羊膜・絨毛膜・脱落膜中におけるトリプトファン分解酵素の一種であるIndoleamine 2,3-dioxygenase : IDOのタンパク発現レベルを検討し、絨毛膜羊膜炎(CAM)および早産との関連性について検討した。検体は、川崎医科大学附属病院で分娩した妊婦191名を対象とした。その結果、健常な妊婦の胎盤サンプルをcontrol群とし、妊娠初期のサンプルとIDO発現を比較したところ、妊娠初期のサンプルはcontrol群より約0.77倍で低値を示した。また、CAMの病歴を有する患者由来のサンプルと比較したところ、CAMの病歴を有するサンプルはcontrol群より約2.29倍高値を示した。
CAMの病歴を有する患者では、膣内における細菌の上行感染によってマクロファージや好中球が集積し、それに伴いIL-8、TNF-αなどの炎症性サイトカインが発現し、プロスタグランジンなどの子宮収縮物質を産生する。また、IL-8はリポ多糖(lipopolysaccharide : LPS)のような細菌による刺激でも産生される。LPS刺激によってIDOの発現は誘発されるため、CAM患者由来のサンプルでのIDO発現は高値を示したのではないかと示唆された。CAMの重症度とIDO発現に相関は認められなかったが、CAMIIが比較的高値を示した。今後、胎盤および絨毛膜・羊膜・脱落膜における局所的なIDO発現についての検討を免疫染色により行い、CAMの重症度とIDO発現について再検討する必要がある。また、CAMは早産の主な原因であることから、IDO発現が早産に関しても相関性を示す可能性も考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] トリプトファンサプリメント摂取による好酸球増多筋痛症発症機序の解明2011

    • 著者名/発表者名
      岡本威明
    • 雑誌名

      生物機能研究

      巻: 15 ページ: 16-23

  • [学会発表] Effect of peptides derived from casein on degranulation in rat basophilic leukemia RBL-2H3 cells2011

    • 著者名/発表者名
      Takeaki Okamoto
    • 学会等名
      International Conference on Food Factors (ICoFF)
    • 発表場所
      台湾・台北国際会議センター
    • 年月日
      2011-11-20
  • [学会発表] 母体ならびに胎児におけるFractalkine/CXCL1(FRK)の動態の解析2011

    • 著者名/発表者名
      張良実
    • 学会等名
      第63回日本産科婦人科学会総会・学術講演会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2011-08-30
  • [学会発表] トリプトファンサプリメント摂取による好酸球増多筋痛症発症機序の解明2011

    • 著者名/発表者名
      岡本威明
    • 学会等名
      第15回生物機能研究会
    • 発表場所
      九州大学(福岡)
    • 年月日
      2011-07-02
  • [図書] 食と健康を支援する(第2集)2012

    • 著者名/発表者名
      岡本威明
    • 総ページ数
      290
    • 出版者
      門司印刷
  • [備考]

    • URL

      http://kenqweb.office.ehime-u.ac.jp/Profiles/0003/0003183/profile.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi