研究概要 |
頭頸部癌細胞を用いて,TRIM32に特異的に結合するマイクロRNAを網羅的に同定し,そのマイクロRNAがTRIM32によって活性化されているかを解析し,また,同定されたマイクロRNAのターゲット遺伝子を同定して,それらマイクロRNAとターゲット遺伝子が実際の臨床検体ではどのように発現し,さらに,その臨床データと相関するかを検討することを目的に,今年度は下記の研究を行った. 1.頭頸部癌細胞のcell lysateを用いて,TRIM32およびArgonaute-1に対する抗体を用いて免疫沈降実験を行い,結合するマイクロRNAを専用キットを用いて分離精製した. 2.マイクロRNA用の逆転写プライマーセットを用いてリアルタイムPCR法により網羅的にマイクロRNAアッセイを施行. 3.Argonaute-1に結合するマイクロRNAとTRIM32に結合するマイクロRNAの発現を比較し,TRIM32に特異的に結合するマイクロRNAを同定. 4.同定されたマイクロRNAのTRIM32による活性化を,ルシフェラーゼアッセイを用いて検討. 5.TARGETSCANやmiRBaseなどWeb上で利用可能なデータベースを用いて,同定されたマイクロRNAのターゲットを予測. 6.TRIM32過剰発現細胞,TRIM32ノックダウン細胞,さらにシスプラチン耐性頭頸部癌細胞における,予測されたターゲットのmRNA発現およびタンパク質発現を,リアルタイムPCR法およびウェスタンブロット法にて検討.
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