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2011 年度 実績報告書

鼻腔におけるVASOHIBIN1の発現、機能についての解析

研究課題

研究課題/領域番号 22791565
研究機関東北大学

研究代表者

鈴木 貴博  東北大学, 病院, 助教 (50455789)

キーワードVASOHIBIN / 鼻腔
研究概要

Vasohibin-1は、血管新生を負に調節する新規機能性分子として報告された。本因子が他の血管新生に関わる遺伝子の発現調節に関与しているかどうかをcDNAマイクロアレイ法により解析した結果、Vasohibin-1の過剰発現により数種類の嗅覚受容体の発現が亢進するという予想外の結果が得られた。上記知見は、本因子が血管新生抑制作用以外の機能を有している可能性を示唆しており、本研究では鼻腔局所でのVasohibin-1の発現や機能について解析を進めた。
8週齢マウスの鼻腔、上咽頭、耳管、喉頭、鼻腔の各上皮を採取し、RT-PCR法による遺伝子の発現の再現性を確認した。いずれの組織においても血管内皮のマーカーであるCD31の発現は認められたもののVasohibin-1の発現が認められたのは、鼻腔においてのみであった。さらに発現している組織を同定するべく、また経時的な発現過程を検証すべく胎生14日目、生後1日目、生後8週目のマウス鼻腔のパラフィン切片を作成し免疫染色を施行した。胎生14日および生後1日においては嗅上皮、血管内皮いずれにおいてもVasohibin-1の発現は認められなかった。しかし8週齢になると嗅上皮下層にある血管内皮に一致してVasohibin-1の発現が認められた。成熟した嗅覚器受容体神経細胞にのみ結合する嗅覚標識タンパク質(OMP)を免疫染色し、嗅神経細胞においてVasohibin-1が共発現しているかどうかを検証したが、結果、嗅神経細胞にVasohibin-1の発現は認められなかった。以上からはVasohibin-1が、血管新生抑制以外の機能として嗅覚受容体発現調節へ関与するという仮説を支持する結果は得られなかった。
Vasohibin-1の発現は組織別にみた場合血管内皮細胞で発現が確認されているが、器官別にみた場合、各臓器での発現パターンはまだ十分には解析されていない。鼻腔においてもVasohibin-1の発現は血管内皮に限局していたが、胎生期および出生直後には発現しておらず成熟してからVasohibin-1の発現が顕著になるのは新しい知見であり、この時期に血管新生を負に調節する機構が鼻腔において働いている可能性が示唆された。

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公開日: 2013-06-26  

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