内側前庭神経核や舌下神経前位核ニューロンは一過性虚血(5分間OGD負荷)に対して、その膜電位を過分極させて自発発火を停止し、生理的条件下に戻すことで脱分極して自発発火を回復した。このことは、ニューロン自身の内因性膜特性の変化によって生じる。さらにその責任となるイオンコンダクタンスはATP感受性カリウムチャネルを介した外向きカリウム電流であることが薬理学的実験から明らかとなった。虚血に対して一過性過分極から自発発火の停止を導く内因性膜特性変化は、虚血に対する過剰な自発発火による細胞死から自身を守るためのニューロンの自己防衛機序ととらえることができる。
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