唾液腺導管癌4症例(正常部と癌部のペア)のmicroRNAアレイの結果から、これまで癌遺伝子と報告されているmiR-21やmiR-23-24-27クラスターの発現亢進や癌抑制遺伝子と報告されているmiR-375、miR-1、miR-200ファミリーの発現低下が確認された。miR-200ファミリーの制御する遺伝子(群)を解析するために、標的探索プログラムとパスウェイ解析プログラムを用いた結果、細胞接着に関わる遺伝子群が有意に抽出された。さらに同じ臨床サンプルのマイクロアレイ解析と照合し、細胞接着関連の発現亢進している遺伝子群は唾液腺導管癌の臨床的特徴である遠隔転移に関わっている可能性があり、予後改善のための新規治療標的となる可能性が示唆された。
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