研究課題/領域番号 |
22791586
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鬼頭 良輔 信州大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (80419358)
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キーワード | ユビキチンA52 / ユビキチン・プロテアソームシステム / 内耳 / システインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(CSD) / アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH) |
研究概要 |
難聴の原因候補遺伝子探索を目的に、マウス内耳に発現する遺伝子群をマイクロアレイを用いて解析を行った結果、マウス蝸牛内にUbA52が高発現していることが確認されている。 本研究では内耳においてユビキチン・プロテアソーム系がどのような役割を果たしているかについて詳細に解析を進めている。具体的には、マウス内耳よりタンパク質を抽出し、2次元ゲル電気泳動法にて分離した後、抗ユビキチン抗体にてWestern blot法を用いてユビキチン結合タンパク質由来のspotを同定した。このspotは内耳で高発現しているユビキチン(UbA52)についてユビキチン・プロテアソーム系の標的となるタンパク質と考え、質量分析による遺伝子の同定を行った。その結果、内耳におけるユビキチンの結合基質タンパク質として候補に挙がったものとして、システインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(CSD)とアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)が同定された。 平成23年度は、前年度までに引き続き、システインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(CSD)とアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)およびUbA52タンパク・推定ユビキチンリガーゼタンパクの相互作用についての機能解析を行うため、マウス内耳よりRNAを抽出し、cDNAを合成した後に、動物細胞での発現ベクターおよびGFP融合タンパク発現ベクターのクローニングを行い、実際の結合の確認や細胞内の局在等の解析を開始した。また、抗体を用いた免疫共沈降による結合の確認を行った。さらに、各種プロテアソームインヒビターを用いた場合に内耳に蓄積するタンパクの量的変化を2次元ゲル電気泳動で解析を行い、内耳におけるユビキチン・プロテアソーム系の機能に関する検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画当初に予定していたベクターの完成に時間がかかってしまい、細胞導入の実験が予定よりもやや遅れている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、各種プロテアソームインヒビターを用いた場合に内耳に蓄積するタンパクの量的変化を2次元ゲル電気泳動で解析を継続して行い、内耳におけるユビキチン・プロテアソーム系の役割を明らかにする検討を継続して行う。
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