本研究の目的は、平成22年度より岡山県で導入された「軽度・中等度難聴児補聴器交付上事業」について、その効果と意義、ならびに軽度・中等度難聴児の補聴器装用効果を検証することである。本研究の課題は以下の通りである。 (1)軽度・中等度難聴児の補聴器装用効果の評価 (2)本研究「軽度・中等度難聴児の補聴器装用効果の検討」は、本学倫理委員会に提出、承認されている。 「軽度・中等度難聴児補聴器交付事業」の効果と意義について、岡山県、岡山市の協力のもと、平成22年度の事業実施状祝のデータを収集し、当該年度本事業を利用した30児のうち、当院もしくは岡山かなりや学園より申請した23名にアンケートを送付し、20名より回収し、集計、検討を行った。対象児の保護者は事業の創設により、補聴器装用を積極的に検討できるようになり、補聴効果も実感しているとの回答が多数であった。この結果は第6回日本小児耳鼻咽喉科学会総会にて発表した。 また、軽度・中等度難聴児の補聴器装用効果の検討を目的に、軽度・中等度難聴児47児に聴覚、言語発達検査を行い、それらの検査結果について統計学的解析を行った。その結果、軽度・中等度難聴児は健聴児と比較すると有意に語彙数が少ないこと、また補聴器装用3年以上の群と3年未満もしくは非補聴群を比較した場合に、3年以上の群で語彙数が多い傾向がみられた。良聴耳の聴力検査結果、良聴耳の聴力が良好であるほど構文理解は良好であるという結果が得られた。この研究成果は第21回日本耳科学会総会にて発表した。 新事業創設に向けての取り組みは、短報「岡山県の軽度および中等度難聴児の補聴器購入費用助成に向けての取り組み軽度および中等度難聴児の補聴の現状と助成事業導入」として、日本耳鼻咽喉科学会誌平成23年8月号に掲載された。 新事業創設に向けての取り組みは、短報「岡山県の軽度および中等度難聴児の補聴器購入費用助成に向けての取り組み軽度および中等度難聴児の補聴の現状と助成事業導入」として、日本耳鼻咽喉科学会誌平成23年8月号に掲載された。
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