研究課題/領域番号 |
22791609
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
讃岐 徹治 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (10335896)
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キーワード | 痙攣性発声障害 / 動物モデル / 甲状軟骨形成術II型 |
研究概要 |
痙攣性発声障害の治療法である甲状軟骨形成術II型によって声の震えが改善するのは、長期的な声門開大による発声様式の変化が中枢に伝えられ、神経・筋組織に影響を及ぼしていると予想した。そこで甲状軟骨正中切開声門開大動物モデルを用いて、長期的な声門閉鎖不全状態が内喉頭筋や神経に与える影響を詳細に検討することで、痙攣性発声障害に対する甲状軟骨形成術II型の効果が間接的に神経・筋に影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的とした研究を行っている。 甲状軟骨正中切開による声門閉鎖不全動物モデル(甲状軟骨形成術II型モデル)の作成を行った。Wistar系ラットを用い、全身麻酔下にラット甲状軟骨を正中で切開した後、以下の3種の処置モデルを作成する:(1)正中切開のみ(対照群)、(2)シリコンシムを甲状軟骨切開部に挿入し9-0ナイロン糸で固定する(甲状軟骨形成術II型群)、(3)シリコンシムを甲状軟骨切開部に挿入し9-0ナイロン糸で固定した状態で12週経過させた後にシリコンシムを除去したモデル(声門閉鎖不全後改善群)、(4)無処置ラット(コントロール群とした。しかしラットの喉頭が小さいこと声門開大幅は個々で異なることで、動物の再現性が得られていない。喉頭内に炎症が及ぶなども組織評価に影響が出ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
モデル動物が安定して作成でき、ておらず内喉頭筋筋線維、神経線維数と径、筋線維タイプの組織学的観察まで至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
声門開大用のシリコンシム作成を工夫し、喉頭を破壊しないよう工夫し、再現性のある動物モデル作成する。長期モデルができない場合は、短期モデル12週経過から4-8週経過モデルに変更して内喉頭筋筋線維、神経線維数と径、筋線維タイプの組織学的観察を行う。 それでも評価が困難な場合は、摘出喉頭で発声を確認したモデル(吹鳴動物モデル)を作成して、予定実験を遂行する。
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