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2010 年度 実績報告書

急性中耳炎における肺炎球菌血清型の検討と特異的免疫応答の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22791624
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

池田 頼彦  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20423949)

キーワード急性中耳炎 / 肺炎球菌 / 血清型
研究概要

本邦における急性中耳炎患児より分離された肺炎球菌の薬剤感受性および血清型分布ついて検討した。中耳貯留液および鼻咽腔から通常の臨床細菌学的手法により肺炎球菌を分離同定した後に、血清型特異的PCR法および抗血清(Statens Serum Institut)による莢膜膨化反応により血清型を分離同定した。また、微量液体希釈法によるペニシリンGの感受性を検討した。急性中耳炎患児の中耳貯留液より分離された肺炎球菌を用いた実験では、主な血清型としては19F型が19.4%、23F型が14.9%、14型が11.4%、6B型が11.4%、6A型が9.1%、3型が9.1%であった。肺炎球菌の血清型と薬剤感受性の関係については、3型はすべてPSSPであった。一方19F型および23F型はPRSPあるいはPISPに多く認められた。6Aおよび6B型、14型は薬剤感受性に関わらずPSSPおよびPRSPのいずれにも認められた。肺炎球菌ワクチン7価(7-PCV)、10価(11-PCV)、13価蛋白結合型ワクチン(13-PCV)および23価莢膜多糖体ワクチン(PPV)の肺炎球菌カバー率は、それぞれ7-PCVが60.6%、11-PCVが61.7%、13-PCVが82.9%、PPVが82.9%であった。先に分離同定された肺炎球菌血清型に基づいて、7価の蛋白結合型ワクチンの本邦における小児急性中耳炎に対する有効性を検討した。本邦における急性中耳炎の予防効果としては、交叉反応性も含めると急性中耳炎全体の予防効果としては7.4~9.1%の効果が期待された。また、肺炎球菌に対しては、33.1~41.0%の予防効果が、薬剤耐性肺炎球菌に対しては40.1~49.4%の予防効果が期待できた。今後、米国におけるRayらの分析を参考に、わが国における急性中耳炎の疾病負担と肺炎球菌ワクチンの費用削減効果を推計する予定である。

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公開日: 2012-07-19  

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