研究概要 |
コモンマーモセット末梢聴器の局所解剖学と画像検索法の確立を目指して、死後個体を用いて検討し、以下の結果を得た。 1.マーモセットの側頭骨局所解剖に基づいた、耳科手術手技の確立 局所解剖の検討にて、耳後切開アプローチでbullaに入ることが容易であること、 posterior tympanotomyのメルクマールとして外側半規管の有用性を見出した。 2.PostmortiumでのCT,MRI画像による検討 3.拡散テンソル法を用いた内耳神経の神経線維走行の描出 7TMRIにクライオプローブを装着して側頭骨をex-vivoで高いS/N比をもって撮影し、蝸牛神経内における複雑な神経線維走行や周波数毎の神経線維走行の描出に成功した。 4.連続切片における組織学、画像所見との対応 十分な個体数を確保できず初年度は組織採取のみとなった。来年度に画像と比較する。 5.マーモセット難聴モデル樹立のための基礎研究として、新規細胞死トランスジェニックマウスモデルを樹立した(Fujioka M et al.JCI)。また内耳支持細胞特異的遺伝子調節のため基礎データを収集した(Hosoya M et al.Neurochemical.Research)。 疾患モデルや治療効果を検討する上では、犠死させずに画像を用いてin vivoで経時的に組織を検討する系が確立していることが望ましく、その基礎検討としては将来の有用性を示唆する結果を得られた。今後、疾患モデル樹立に向けた基礎的ツールの作成を進めると共に、国内外に結果を広く発信して行きたい。
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