研究課題
眼底画像における糖尿病網膜症、高血圧性網膜症、および緑内障に関する診断所見を自動的に検出,解析する手法について研究開発した。糖尿病網膜症については、ヘッセ行列に基づくshape indexを用いた毛細血管瘤の自動検出法を新たに開発し、誤検出数の増加無しに検出率を64%から73%に向上することに成功した。次に、高血圧性網膜症に関連して、従来手法で検出できなかった血管を推定する手法を開発した。従来手法では、反射などで低コントラストとなる血管の一部領域を検出漏れする課題があり、反射で途切れた領域を人工的に作成した血管モデルで繋ぐことによって、血管の走行状態を理解するアルゴリズムを構築した。この手法の追加により、従来手法では73%しか自動検出できなかった動脈と静脈の対を、本手法では91%の対の自動検出に成功した。最後に、緑内障の診断所見である視神経線維層欠損(RNFLD)の自動検出アルゴリズムの改善を試みた。従来手法では、複数種類のガボールフィルタを適用した自動検出処理の結果を組み合わせて、それを最終結果としていた。しかし、複数の処理の組合せによって、多くの誤検出が生ずる問題点があった。当該年度では、1種類の最適なガボールフィルタを研究によって見つけ、1つのガボールフィルタのみの適用によって、誤検出数の低減に成功した。90%のNFLDが検出できるようにアルゴリズムの各パラメタを設定したとき、画像当たりの誤検出数を1.17箇所から0.68箇所に削減できた。以上の3つの研究により、集団検診で重視すべき複数種類の疾病に対応した眼底画像からの病変の自動検出・自動解析手法の高度化に成功したと結論づける。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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電子情報通信学会技術研究報告
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