研究課題/領域番号 |
22791680
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
藤田 識人 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10453177)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | α9インテグリン / 血管新生 / 角膜 / 脈絡膜 / 網膜 |
研究概要 |
眼組織において病的新生血管は重篤な視力低下につながり、血管新生の制御は重要課題となる。眼科領域では脈絡膜新生血管に起因する加齢黄斑変性症に対して、抗VEGF抗体が治療薬として用いられているが、正常血管に対する障害や血管閉塞の誘発など副作用の報告も少なくない。そのためVEGFとは別の観点からの血管新生抑制が望まれている。 α9インテグリンは種々の細胞外マトリックス成分の受容体として働き、炎症細胞や血管内皮細胞の遊走・増殖に重要な働きを持つことが知られている。α9インテグリンのリガンドとして知られるOPN、TN-C、ルミカンは新生血管促進作用を持つ事が予想される。OPNに関しては角膜新生血管および脈絡膜新生血管に対する促進作用があることを研究代表者は証明している。 脈絡膜新生血管や網膜新生血管についてもOPNが促進作用をもつと予想され、さらには同じα9インテグリンのリガンドとなるTN-Cやルミカンでも血管新生促進作用が予想される。 病的新生血管の制御方法として、OPN、TN-C、ルミカンといった多様なサイトカインに対する中和抗体を用いた治療法が期待できる。 TN-Cの角膜血管新生に対する作用の確認のため角膜新生血管モデルを用いた。TN-Cノックアウトマウスおよび野生種マウスの角膜を電熱線焼灼し、角膜輪部から伸展した新生血管の長さを測定し、TN-Cノックアウトにより血管新生が抑制されている事を確認した。共同著者として論文発表を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
α9インテグリンのうち、OPNについてはおおむねの作用について解明出来た。 また、TN-Cについてもその作用について解明の途中にある。 他のα9インテグリンであるルミカンについてはノックアウトマウスの調達等が進んでおらず、解明についてはこれからである。
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今後の研究の推進方策 |
TN-Cの脈絡膜新生血管に対する作用を確認する。 また、ルミカンに関する角膜新生血管や脈絡膜新生血管に対する作用を確認する。 網膜新生血管モデルマウスの作成の為の器械が調達されて手技が確立されれば、α9インテグリン全般の作用について解明を進める。
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