研究概要 |
本研究は効果的な視機能訓練法・装置を開発し,視能訓練の問題点の解消及び小児の斜視,弱視患者の時間的・精神的負担を軽減することを目的としている。平成22年度は視機能訓練法・装置の開発とともに訓練効果を評価する視機能検査装置を開発した。視機能検査には両眼視機能検査,眼位・眼球運動検査,また視能訓練には弱視訓練,斜視訓練(抑制除去,融像訓練,立体視訓練)を実装した。各視能訓練法は既存の訓練法を参考にして,刺激の質(静止画,動画など)刺激映像の質(サイズ,色,形など),効果的な検査時間などを調整し,最も効果的な訓練法について検証できるシステムとした。これらの検査・訓練を行う装置は立体映像提示ディスプレイ,映像提示部,記録解析部,及び両眼分離(左右眼に別々の映像提示)装置で構成することができる。開発した視機能検査の両眼視機能検査(同時視,融像,立体視),眼位・眼球運動検査について,健常青年(平均年齢22歳)及び小児(4~12歳)を対象に検討した。その結果、本装置で得られた検査値と既存装置の検査値の相関性を求め、本装置の有効性を検証した。その結果、全ての検査項目において既存検査装置による検査値と高い相関を認め、本検査装置の有効性が示された。また本装置は多機能化,操作性の向上及び検査結果の自動記録・出力により検査時間を従来比で50%以下を達成した。 平成23年度は22年度に開発した視機能訓練装置の安全性・安定性の検証行い,小児斜視弱視患者を対象とした臨床応用を行う計画である。
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