研究課題
本研究の目的は、Scheimpflug(シャインプルーク)の原理を応用し、(1)360度混濁情報の解析、(2)部位別(水晶体皮質や核など)の解析、(3)視機能検査時の瞳孔径に近い領域の濃度解析を行い、混濁情報と視機能との関係を調査した。本研究で行う視機能検査時の瞳孔径に近い領域の3次元的水晶体濃度分布解析は、再現性が向上し、視機能との関連性は高いと予想した。また、固体差や局所的な混濁の影響を調査するため、光学シミュレーションを行うことが、望ましいと思われた。そこで、光学設計ソフトを用いて網膜像を推定できるようなヒト眼球モデルを用いて、散乱特性を含む白内障の光学特性の評価を行った。さらに有水晶体眼内レンズ挿入眼は、比較的白内障の進行が早い例もいることから、これらの症例も対象として研究を行った。結果、3次元的かつ部位別に水晶体混濁情報を取得することで、視機能の予測性が向上することを確認した。光学シミュレーションでは、水晶体の各部位での屈折率変化や散乱変化、透過率変化、瞳孔変化が網膜結像特性に及ぼす影響を確認できた。さらに有水晶体眼内レンズ挿入眼の白内障解析や原因解明を行うことができた。以上より、Scheimpflug(シャインプルーク)の原理により白内障を3次元的に定量化することは、白内障の診断・進行確認検査としての有用性や治療・予防薬有効性の評価法、白内障危険因子の解明につなげることができると思われる。さらに、本結果では、完全な解明には至らなかったが、視機能と白内障の関係の一部が明らかになり、また、白内障形成過程解明や白内障進行予測モデルの作成にも応用可能と思われた。
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