ぶどう膜炎の動物モデルであるエンドトキシン誘発ぶどう膜炎(EIU)を用いて、High MobilityGroup Box(HMGB) HMGB-1を標的とした炎症制御の可能性について検討を行った。EIU誘導ラット、およびコントロールとして生食水を接種したラットの両群の眼球を摘出し免疫組織染色を行ったところ、両群の前眼部組織にHMGB-1陽性像を認めEIU投与群で蛍光強度の増加がみられた。次にラットEIUにて抗HMGB-1(ポリクローナル)中和抗体を用いて眼炎症抑制効果の有無について検討したところ有意な炎症抑制作用はみられなかった。以上より、EIUにおける血液房水バリアーの破綻にHMGB. 1は関与しない可能性が示唆されたものの、EIU誘導眼においてHMGB-1の発現増強が確認されたことからHMGB-1が眼局所でぶどう膜炎の病態に関与する可能性が考えられた。
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