研究概要 |
慶應義塾大学眼科ドライアイ外来に参加し、重症ドライアイ(慢性移植片対宿主病、シェーグレン症候群、Stevens-Johnson症候群、眼類天疱瘡)の眼表面について、自覚症状の問診(Visual analog scale symptom scoresまたは、Dry Eye related Quality of life Scoreを用い、定量的に評価)、細隙灯顕微鏡(眼瞼縁の不整・血管侵入・マイボーム腺開口部の閉塞・皮膚粘膜移行部の移動を確認しマイボーム腺機能不全について評価)、meibumの圧出程度、シルマーテストによる涙液の反射性分泌量の測定、フルオレセイン、ローズベンガル(あるいはリサミングリーン)の生体染色による角結膜上皮障害のスコアリング、フルオレセイン点眼後の涙液層破綻時間(tear-film break up time, BUT)を評価した。 慢性移植片対宿主病によるマイボーム腺機能不全に対しては、一般的なマイボーム腺機能不全の治療法が行われているが、慢性移植片対宿主病によるマイボーム腺機能不全はマイボーム腺の腺構造の消失が著しく、難治性であり、従来の方法では限界があり、新しい治療法の開発にも、新たなアプローチが必要である。このため、慢性移植片対宿主病による ドライアイ患者を対象にした局所免疫抑制剤の治療効果を検討するため、免疫抑制剤(タクロリムス点眼)を用いた臨床研究についての倫理審査の書類を作成し、慶應義塾大学倫理委員会から承認を得て、UMIN登録 ( UMIN ID 000011479 )を行った。
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