本研究の目的は、涙腺や眼表面においてミトコンドリア由来の活性酸素による細胞内酸化ストレスがどのように傷害を引き起こし、涙液分泌量減少や眼表面炎症を伴うドライアイがいかに生じるか解明することにある。研究デザインとして、ミトコンドリア電子伝達系から活性酸素を過剰発生するモデル動物として7θ孟一鰐r-1マウス(コントロールはC57BL/6J)を用いて、invivoによる実験系で涙腺を主として解析を行った。特に本年度は、1.摘出涙腺からの抽出mRNAを用いたRealtimePCRによる炎症性サイトカインの定量、2.7腕吻θr1マウスとWildTypeマウスの(1)涙液分泌量および(2)眼表面スコアリングの比較、の以上2点を中心として実験を行い、昨年度の実験結果とまとめて一般学術誌(PloSOne)へ投稿したので後述する。 1.摘出涙腺からmRNAを抽出し、炎症性サイトカインについてRealtime-PCR法を用いて定量的に評価、乃オ吻θ7-1マウスとコントロールマウスで比較検討した。その結果、観一耀7-1マウスはコントロールマウスに比較して、TNF一αやIFN一γなどの炎症性サイトカインが有意に増加していることが判明した。 2.(1)マイクロキャピラリーを用いて無麻酔下に3分間涙液採取を行い、マイクロキャピラリーに吸引された長さを涙液分泌量とし、計3回の平均値を最終結果とした。その結果、乃孟吻θr-1マウスはコントロールマウスに比較して、涙液分泌量が有意に減少していることが判明した。 (2)フルオレセイン染色にて角膜上皮欠損の状態を観察し、その程度をスコアリング(0~9)評価して比較検討した。その結果、乃オ「肥γ一1マウスはコントロールマウスに比較して、角膜上皮欠損が強く生じていた。 (1)および(2)の結果からたオ吻θr-1マウスにて活性酸素を過剰発生させた場合、臨床的なドライアイ所見と近似した状態が誘導されることが判明した。、
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