研究概要 |
Vogt-小柳-原田病(VKH病)患者から血液20mlを採取し、得られた末梢血リンパ球(PBMC)にコンカナバリンAおよび各種濃度のベタメサゾンを添加後24時間培養し、上清のサイトカイン濃度をフローサイトメトリーおよびELISAで測定した。測定項目はIL-17,IL-2,IL-4,IL-6,IL-10,TNF-alpha,IFN-gammaとした。VKH病患者19検体の結果から、コンカナバリンAのみで刺激した場合、上清のIL-17の濃度が高い患者は低い患者と比較して、1)発症時年齢が高い、2)矯正視力1.0以上に回復するまでの期間が長い、3)総ステロイド薬投与量が多い、という点について有意差を認めた。一方ベタメサゾン添加によってベタメサゾンの濃度依存性にサイトカイン濃度は抑制されたが、IL-17のみベタメサゾン添加によって濃度が増加する検体があった。 これらの結果から、VKH病患者のPBMCのIL-17産生能はVKH病の活動性の指標となり、治療方針の決定に有用である可能性が見出された。 今後、VKH病患者検体のメチルプレドニゾロン添加・リコンビナント蛋白刺激、およびその他のぶどう膜炎患者の検体を用いた実験に移る予定である。
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