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2010 年度 実績報告書

ヒト多能性幹細胞由来分化網膜細胞の神経機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22791701
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

本間 耕平  独立行政法人理化学研究所, 網膜再生医療研究チーム, 研究員 (80462729)

キーワード網膜移植治療 / 網膜視細胞分化 / 網膜色素変性症 / 網膜加齢黄班変性症
研究概要

本研究は,網膜色素変性症,加齢黄班変性症をターゲットにした網膜細胞移植治療の確立に向けた基礎研究である.現在までにマウス網膜視細胞前駆細胞を網膜変性モデルマウスに移植することで視機能が一部回復したという報告があるが,移植された細胞が実際の視細胞としての役割を果たしているかどうかはあきらかではない.また,移植するドナー細胞として,胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性研細胞(iPS細胞)から分化させた網膜視細胞前駆細胞が同様の働きをするかについてはあきらかではない.そこで,網膜桿体視細胞前駆細胞が選択的にGFPでラベルされたトランスジェニックマウス(NrlGFPマウス)を用いて,この網膜視細胞前駆細胞を網膜変性モデルマウスである,rdlマウスに移植し,2週間後の移植細胞の神経活動を,カルシウムイメージング法とパッチクランプ法によって解析した.移植された網膜前駆細胞は2週間後観察すると,網膜視細胞様に分化しており,網膜2次ニューロンである,網膜双極細胞をシナプス結合していることが分かった.また,脱分極刺激に対して内在性の視細胞と同等のカルシウム応答を示すことが分かった.また,移植細胞は網膜視細胞に特異的な過分極誘導性電流を示すことがわかった.さらに我々は,NrlGFPマウスからiPS細胞を作製し,iPS細胞からGFP陽性の網膜視細胞前駆細胞を作製することに成功した.この細胞は,網膜視細胞に特異的に発現する,ロドプシン,リカバリンなどのタンパク質を発現し,NrlGFPマウスから得られた網膜前駆細胞と同様の過分極誘導性電流を示すことがわかった.このことから,iPS細胞由来の網膜視細胞前駆細胞は網膜視細胞移植のドナー細胞に用いることができる可能性が見出された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Neuronal activities of transplanted retinal cells in retinal degeneration models2010

    • 著者名/発表者名
      Kohei Homma, Satoshi Okamoto, Michiko Mandai, Masayo Takahashi
    • 学会等名
      40^<th> Society for Neuroscience
    • 発表場所
      San Diego, CA, USA
    • 年月日
      2010-11-16
  • [学会発表] 網膜変性マウスにおける移植網膜視細胞の神経活動2010

    • 著者名/発表者名
      本間耕平, 万代道子, 金子兵, 高橋政代
    • 学会等名
      第33回日本神経科学大会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター
    • 年月日
      2010-09-02
  • [学会発表] 網膜変性マウスにおける移植網膜視細胞の神経活動計測2010

    • 著者名/発表者名
      本間耕平, 万代道子, 高橋政代
    • 学会等名
      第14回視覚科学フォーラム研究会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2010-08-27
  • [学会発表] Measurement Of Neuronal Activities Of Transplanted Retinal Cells In Retinal Degeneration Models2010

    • 著者名/発表者名
      Kohei Homma, Zi-Bing Jin, Michiko Mandai, Masayo Takahashi
    • 学会等名
      The Association for Research in Vision and Ophthalmology
    • 発表場所
      Fort Lauderdale, FL, USA
    • 年月日
      2010-05-06

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公開日: 2012-07-19  

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