壊死性腸炎(necrotizing enterocolitis : NEC)は、腸管機能の未熟な低出生体重児に多く発症し、腸管粘膜の虚血性壊死を主病変とし、時に致死的な経過をたどる疾患である。本症発症後に腸管粘膜が脱落し、炎症細胞浸潤や、病原性菌の増殖を示す事は知られているが、損傷をうけた腸管粘膜に対する特異的な治療法がないのが現状である。これに対して腸管機能維持作用を持つ神経ペプチドであるボンベシンの投与による予防及び治療効果を判定することで、その臨床応用への可能性を追求する。 平成22年度に行った研究は、 1.Sprague-Dawleyラット胎児に対し、高濃度の食事、低酸素、LPSの経口投与をそれぞれ行うこととした。 2.投与群、非投与群を犠牲死させ全腸管の肉眼的携帯評価、及び小腸粘膜の組織学的評価を行った。 壊死腸管を発症するラットを安定して作成できるように精練を続けている。
|