【目的】Hemidesmosome構成タンパクはダイナミックな構造であることは解明されたが、細胞膜内および細胞質内での挙動等はいまだ不明である。今回、我々はHemidesmosome構成タンパクであるβ4 integrinの細胞膜内および細胞質内の挙動をkikume Green-Red vectorを使用し、解析を行う事を今年度の目標とした。 【方法】Hemidesmosomeの構成タンパクであるβ4 integrinの遺伝子コードを紫外線による変色機能を持ったkikume Green-Red vectorに導入しplasmidを作成した。そのplasmidを804G細胞に遺伝子導入し、Greenβ4 integrinタンパクを発現させた。発現したタンパクに共焦点レーザー顕微鏡下に紫外線を一部照射し変色させ、Redβ4 integrinタンパクに変色させた後、Live cell imaging methodでその細胞を観察し、緑色と赤色各々のβ4 integrinを同時に観察することにより、リクルートおよびリサイクルついて観察し、解析を行った。 【結果】804G細胞が移動する際には、細胞膜内でのβ4 integrinのスライディングは見られなかった。β4 integrinは膜内移動をしない可能性が示唆された。つまり、β4 integrinは運動の際には、細胞質内を移動することがわかった。 【次年度の目標】細胞質内を移動するβ4 integrinを、制御する機構を各種条件下に観察することにより解明する。このことにより、上皮細胞の運動メカニズム解明がすすむものと考えられる
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