24年度は、23年度に引き続きマウスを用いてLPS腹腔内投与によるsepsisモデルマウスを作成し、健常マウスおよびsepsisモデルマウスにsecond hitとして1時間の人工呼吸器を用いた人工呼吸を行い、sepsisによる肺損傷および人工呼吸を加えたことによる肺損傷の程度を、組織学的評価、肺組織のATP測定、各種炎症性サイトカイン遺伝子発現の定量などにより評価した。また、肺局所へのadenosine投与を経気道的に行い、肺損傷軽減効果および炎症性サイトカイン発現抑制効果を上記と同様の方法で行った。 sepsisモデルマウスでは、同じ容量で人工呼吸を行った後の肺組織中ATPおよび血中炎症性サイトカインが増加する傾向が見られたが、統計学的に有意な差は認められなかった。また、肺損傷を惹起する設定での人工呼吸を施したsepsisモデルマウスにアデノシンを経気道的に投与し、肺損傷軽減効果および全身性の炎症軽減効果の有無を調査したが、ATP濃度および炎症性サイトカイン発現は、実験前の予想以上に個体間のばらつきが多きく統計学的に有意差を得ることが出来なかった。 また、当初予定していた臨床研究は時間的余裕がなく施行できなかったため、再度研究費の申請依頼を行い遂行していきたいと考えている。
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