ラット(生後4週齢)の脊椎を椎弓切除し胸髄レベル(Th7-9)で約2mmのギャップを作製する。人工コラーゲンのみの移植群(G1)とTNF添加人工コラーゲン移植群(G2)を作製した。移植1~12週間後の組織を各々評価した。潅流固定後、脊髄を取り出し、ヘマトキシリンエオジン(HE)染色し顕徴鏡で観察した。軸索、ニューロン、星状膠細胞、希突起膠細胞等に対する抗体を用いて免疫組織化学染色し共焦点蛍光顕徴鏡で観察した。 HE染色による観察では、G2群において、組織―細胞間の親和性はより良好であり、空洞を形成することも少ない傾向にあった。また、移植された繊維状の人工コラーゲンは経過とともに減少し、その間隙は組織にて充填されていく様子が観察された(その組織の成分は同定未)。 免疫組織化学的検討においては、G2群において移植部への軸策伸長を認めた。また周囲にグリオーマ形成等は認めなかった。 後肢運動機能評価においては、経過において両群間に明らかな差異を認めなかった。
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