研究課題/領域番号 |
22791762
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古田 信道 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (50452446)
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キーワード | 歯周病 / 細菌感染 / 細胞内輸送 / オートファジー / 歯学 |
研究概要 |
GASについて;Group A Streptococcus(以下GAS)は咽頭・扁桃炎などの軽度の疾患から壊死性筋膜炎などの重篤な感染症の原因菌である。我々はGASを内包したオートファゴソームであるGcAV(GAS contaning Autophagosome likevacuole)の形成がSyntaxin 17のノックダウンにより著しく阻害されることを見出した。またGASの細胞内生存率がコントロール細胞と比較して顕著に上昇していることから、Syntaxin17はGcAV形成の必須因子であることが明らかとなった。Syntaxin17は細胞内小胞輸送に関与するとされているSNAREタンパク質群に属し、小胞体への局在が明らかにされてはいるが、その機能は殆んど解明されていない。以上の結果は、機能未知のタンパク質であったSyntaxin 17が、細胞の対細菌感染機構として重要な機能を保持していることを示す知見であると思われる。 P.g.について;歯周病原因菌の一つであるグラム陰性菌Porohyromonas gingivalis(以下P.g.)の主要な病原因子として報告されている。P.g.は細胞内分解機構であるオートファジーを利用し、細胞内での殺菌機構から逃れることが報告されている。我々はオートファジー欠損細胞内でのP.g.の生存率が減少することを見出した。さらに興味深いことに感染初期の段階で特定のユビキチン関連タンパクと高頻度に共局在を示したことからP.g.は細胞内への侵入後、ユビキチン化、オートファジー機構による認識を経て細胞内分解機構から逃れている可能性が示された。これはP.g.がオートファジー機構を利用し、細胞内に生存し続けることで歯周病の慢性化を引き起こす可能性を示した重要な知見であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GASの細胞内侵入細菌の分子基盤について詳細な解析を実施し、その成果を現在投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はP.gingivalisとオートファジーとの関連性について調べる予定である。具体的には細胞内に侵入したP.gingivalisを初期段階で認識する細胞側因子(特にユビキチン化関連タンパク質)に着目し、P.gingivalisがどのようにオートファジーを利用し細胞内で生存を維持しているのかについて今後の研究を展開していく予定である。
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