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2011 年度 実績報告書

新規小胞輸送調節分子を介した唾液分泌機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22791789
研究機関広島大学

研究代表者

北山 友也  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60363082)

キーワードPRIP / GABARAP / 開口分泌
研究概要

本研究課題は,新規小胞体輸送分子PRIPが仲介する開口分泌機構の解明である.最終的には,唾液腺における分泌機構の解明を目的としている.PRIP分子には,1型と2型の2種類の存在が確認されている.前年度までに,PRIP分子の1型および2型の両方を欠損させたマウス用いた検討で,PRIP分子がグルコース刺激誘発性インスリン分泌を増加させることが判明した.この増強傾向は,グルコース刺激直後に認められる第一相の分泌ではなく,刺激後約5-10分から開始する第二相で認められた.さらに,PRIP蛋白と直接接合することが知られているGABARAP蛋白がインスリン分泌量を第二相において制御することを見出した.これらのことから,インスリン開口分泌制御機構に対し,GABARAPとPRIP蛋白とのクロストークの可能性が考えられる.
したがって本年度は,PRIP分子の開口分泌制御機構について細胞内シグナル・神経系制御を視野に入れ検討をおこなった.
GABARAPは,細胞内輸送,特にGABA_A受容体の細胞膜上への発現を制御している.PRIP分子の1型および2型の両方を欠損したマウスではGABA_A受容体α5サブユニット,βサブユニットの発増強およびγサブユニットの発現低下が認められた.一方,PRIP1型のみの欠損では,βおよびγサブユニットについては同様の現象が認められたが,αサブユニットでは著変は認められなかった.さらに,PRIP分子の1型および2型の両方を欠損したマウスに特徴的な変動としては,細胞内クロライドイオン濃度を調節するカリウム-クロライド-コトランスポーター発現量が増加していた.
これらの結果は,抑制性神経系の開口分泌に対する制御が変調していることを示すものであり,さらに細胞内イオン組成の変動が,水分泌に影響を与える可能性を示唆するものである.

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公開日: 2013-06-26  

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