研究課題
β作動薬イソプレナリン(5μg/g body weight/day i.p)を10日間投与することにより骨組織にて酸化ストレスの指標である過酸化脂質が有意に増加し、破骨細胞の増加、骨形成の低下により骨量減少がみられることがこれまでの研究により明らかにされている。本研究では活性酸素種(reactive oxygen species: ROS)による破骨細胞分化にapoptosis signal regulating kinase 1(ASK1)が関与するか否か検討することを目的とした。野生型およびASK1欠損型の57BL6/Jマウスにイソプレナリン(5μg/g body weight/day i.p)を2週間投与し骨粗鬆症を誘導したところ、野生型マウスではイソプレナリン投与により破骨細胞数の増加、骨形成低下により骨量減少が確認されたのに対し、ASK1欠損動物では破骨細胞増加と骨量の減少がともに抑制傾向にあった。また骨その他の解析項目については現在検討中である。また、ROSが関与する骨減少モデルとして卵巣摘出モデルを用いた検討も行ったが、本データに関しては現在なお検討中である。これらin vivoの結果では骨吸収のみならず骨形成に関しても本実験を通して酸化ストレスとの関連を示唆する結果が得られた。以上の結果から活性酸素種による破骨細胞分化にASK1が関与することが示唆された。本研究の発展によりからASK1をターゲットとした骨粗鬆症の新規治療法の確立へ発展することが期待される。
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