研究課題/領域番号 |
22791806
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
酒井 梓 東北大学, 大学病院, 医員 (90463778)
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キーワード | シェーグレン症候群 |
研究概要 |
ヒト下唇小唾液腺からの初代培養細胞の分離を2つの方法で試みた。 1つ目の方法として、シェーグレン症候群患者および健常者から下唇小唾液腺を採取し、採取した組織片を可及的に裁断した後に上記培地を用いてフラスコ中で培養することで、20~30日に唾液腺上皮細胞の初代培養細胞が得られた。得られた細胞は上記と同様の免疫染色によって唾液腺上皮由来の細胞であることを確認した。さらにα-amylase、 lysozyme、lactoferrinでの免疫染色を行い上皮細胞の部位特定を予定している。 2つ目の方法として、Collagenaseを用いて細胞分散処理を施したのちに、培養器としてcollagen-1コーティングした培養用フラスコ「スミロンセルタイト」(住友ベークライト)、培地として成長因子を添加したKeratinocyte-SFM(Invitrogen)+5%FCSを用いることで初代培養細胞(ヒト唾液腺由来細胞、HSGC)の分離を試みた。この細胞は凍結後に少なくとも1回の溶解と継代培養が可能であり、再現性のある実験を行うのに有用と考えられた。上皮細胞マーカーであるpan-cytokeratinで免疫染色を行った。 この方法で得た唾液腺由来細胞をIL-18とIL-17で共刺激すると、IL-8の産生が相乗的に増加する細胞と、相乗効果なく増加する細胞があり、また多くの研究で頻用されている唾液腺細胞株(HSY、AZA3など)とは異なりIL-6の産生には著明な増加を示さない。この違いについて検討を継続する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
シェーグレン症候群患者の病理診断目的に採取される小唾液腺組織を研究試料として用いる予定であったが、例年よりも症例が少なく、実験に適当な試料が十分量得られず、細胞を培養しての試験管内解析の進行が滞った。
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今後の研究の推進方策 |
シェーグレン症候群患者の病理診断目的に採取される小唾液腺組織を研究試料として用いる予定であったが、例年よりも症例が少なく、実験に適当な試料が十分量得られず、細胞を培養しての試験管内解析の進行が滞った。今後の推進方策として、引き続きシェーグレン症候群患者の小唾液腺組織採取を継続して行うとともに、代替として医用細胞資源センターから入手可能な唾液腺組織を用いて実験を行うこととする。大幅な研究計画の変更はない。
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