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2011 年度 実績報告書

内因性アジュバントを用いた新規口腔癌治療ワクチンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22791813
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

太田 里永子  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30452460)

キーワード補体 / ワクチン / 腫瘍免疫 / MUC1 / アジュバント / 口腔癌 / 抗体 / 細胞障害性T細胞
研究概要

口腔癌患者において、腫瘍組織に口腔癌特異的な腫瘍抗原が発現しているにもかかわらず、腫瘍に対する抗体価は低く、口腔癌特異的細胞障害性T細胞(CTL)の頻度は低い。そこで、内因性アジュバントC3dを用いた口腔癌特異的MUC1抗原の新規ワクチンを作成し、その効果を検証することを目的とした。
MUC1は、粘液の主成分の高分子糖蛋白質ムチンで、以下の理由により新たな癌の標的分子となりえると考えられる。(1)主に腫瘍細胞の細胞表面に存在し、正常組織では発現量が少ないこと。(2)正常組織と腫瘍細胞表面では糖鎖付加様式が異なること。(3)MHC class I非拘束性CTL応答を誘導できること。
一方、C3dは、補体成分3Cの断片で、アジュバント様に作用する。MUC1単独では免疫原性が低いが、C3dを融合させる事により、効率よく補体レセプターを持つ細胞に認識され、MUC1に対する抗体産生を誘導するのみならず、MUC1に対するCTL誘導も可能な新規ワクチンになると予想される。
そこで本研究では、まず、マウス型及びヒト型MUC1-C3dワクチンの発現ベクターを構築した。MUC1-C3d発現ベクターをCOS細胞に遺伝子導入し、目的のタンパク質分子が発現するかどうか、ウエスタンブロッティングにより確認したが、phCMV1ベクターを発現ベクターとして用いた場合、目的のタンパク質の発現が確認されなかった。そこで、pTR600ベクターに組み換えて、再度、COS7細胞に遺伝子導入を行ったところ、目的のタンパク質が検出された。
現在、MUC1-C3dの精製を行っているが、さらにMUC1-C3dの5末端にTagを付加して、MUC1-C3dが精製しやすくなるように、組み換えMUC1-C3dを作成中である。
MUC1-C3dの精製が完了すれば、その効果をin vivo及びin vitroで解析する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

H22の途中より産休育休のため中断していたが、復帰後、MUC1-C3d発現ベクターも順調に作成し、精製段階に入っているため。

今後の研究の推進方策

MUC1-C3dを大量に精製するため、発現ベクターの検索や、遺伝子導入する細胞を検討する必要がある。
MUC1-C3dの精製が完了すれば、その効果をin vivo及びin vitroで解析する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Serum concentrations of complement anaphylatoxins and proinflammatory mediators in patients with 2009 H1N1 influenza2011

    • 著者名/発表者名
      Ohta R, Torii Y, Imai M, Kimura H, Okada N, Ito Y
    • 雑誌名

      Microbiol Immunol

      巻: 55 ページ: 191-198

    • DOI

      10.1111/j.1348-0421.2011.00309.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Increased levels of cytokines and high-mobility group box 1 are associated with the development of severe pneumonia, but not acute encephalopathy, in 2009 H1N1 influenza-infected children2011

    • 著者名/発表者名
      Ito Y, Torii Y, Ohta R, Imai M, Hara S, Kawano Y, et al
    • 雑誌名

      Cytokine

      巻: 56 ページ: 180-187

    • DOI

      10.1016/j.cyto.2011.07.016

    • 査読あり
  • [学会発表] Serum concentrations of complement anaphylatoxins and proinflammatory mediators in patients with 2009 H1N1 influenza2011

    • 著者名/発表者名
      Imai, M., Ohta, R., Okada, N.
    • 学会等名
      日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県)
    • 年月日
      20111127-20111129
  • [学会発表] H1N1インフルエンザの重症化における補体アナフィラトキシン及びHMGB1の関与2011

    • 著者名/発表者名
      太田里永子, 伊藤嘉規, 鳥居ゆか, 木村宏, 岡田則子, 今井優樹
    • 学会等名
      第48回補体シンポジウム
    • 発表場所
      名古屋市立大学(愛知県)
    • 年月日
      20110902-20110903
  • [学会発表] 発作性夜間血色素尿症をはじめとするGPI欠損症について2011

    • 著者名/発表者名
      村上良子, 井上徳光, 七島勉, 太田里永子, 野地秀義, 前田裕輔, 西村純一, 木下タロウ
    • 学会等名
      第48回補体シンポジウム
    • 発表場所
      名古屋市立大学(愛知県)
    • 年月日
      20110902-20110903

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公開日: 2013-06-26  

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