研究課題
これまでの研究から、Porphromonas gingivalisのバイオフィルム形成にかかわる因子として、血球凝集素HagBを同定し、そのHagBタンパクは糖修飾を受けていることを明らかにした。本年度は、P. gingivalisのバイオフィルム形成にかかわると報告されている線毛や外膜ヴェシクル、LPSなどに焦点を当て、本研究課題を推進させた。P. gingivalisの培養上清を超遠心分離した後の沈渣には、外膜ヴェシクルが含まれるが、P. gingivalisの33277株の上清から得られた沈渣には、外膜ヴェシクルの他に多くの線毛が含まれることが電子顕微鏡による解析で明らかになった。また得られた沈渣をSDS-PAGE、ウエスタンブロット、LC-MS/MSなどによって解析した結果、沈渣にはMajor線毛の構成タンパクFimAのみならず、Minor線毛の構成タンパクMfaIが含まれていた。以上より、P. gingivalisの菌体外には様々なバイオフィルム形成因子が放出されており、それらが歯周ポケット内でのバイオフィルム形成を促進させている可能性が示唆された。また本研究内容と関連して、①外膜ヴェシクルのプロテオーム解析および病原性の解析②エポキシ磁性ビーズを用いた新しい外膜ヴェシクルを精製する手法を開発した。また、大腸菌のLPS変異株を用いるなどして、③バイオフィルム形成におけるLPSの役割を検討した。さらに、④ColE1プラスミド上に存在する新規のバイオフィルム形成因子kilを同定した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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