研究概要 |
重金属投与により惹起される重金属アレルギーモデルマウスの病変部(足根部)・所属リンパ節・脾臓におけるT細胞集団の表現型や機能的変化を,細胞表面マーカーやTCRレパトアの解析を通して明らかにする.そのことから,アレルギー発症に関わるT細胞をTCRの見地から同定していくことを目的として研究を進めている. 昨年度は重金属アレルギーモデルマウスの作製を行い、動物感作実験による溶液試適濃度の決定を行った。サンプル採取を行い、各採取組織からtotal RNAの抽出を行った.重金属に特異的に反応しているリンパ球のうちT細胞の受容体のレパートリー(多様性)をTCRレパトア解析を用いて解析を行った.解析の結果より,金属アレルギーが惹起された病変部炎症局所ではTCR Vα3-2, Vα18-1を持つ特異的T細胞の増殖が経時的に認められた。金属抗原に対する抗原認識および生体反応に直接関与していることが予想される。現在は異種金属交差時でのT細胞動態についての解析を進める。また,マウス血清を用いて間接蛍光免疫染色法により抗核抗体(ANoA)を測定し,重金属の自己免疫疾患誘導能効果を評価する。これにより高濃度重金属への暴露によって観察される自己免疫疾患との関連性についても検討することが出来ると考えている。
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