これまで確認されていたアシッドベースレジスタントゾーン(以下ABRZ)はセルフエッチングプライマーシステムを用いた場合に樹脂含浸層直下に幅1μm程度で観察されていたが、接着操作前に再石灰化効果のあるフッ素含有の知覚過敏抑制剤等を塗布することにより、さらに厚く明瞭なABRZが確認できるようになった。また、う蝕象牙質内層に対する観察として、健全歯質に比べて表層の脱灰が進行していることから、見かけ上の厚みは増えるが接着強さなどの観点から、脆弱であることが予想されていた。しかしながら同様の処置を行うことにより、さらに明瞭なABRZが観察され、フッ素だけでなく他のイオン徐放の効果も確認できた。
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