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2011 年度 実績報告書

パルス波レーザーを用いた根管洗浄法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22791839
研究機関九州大学

研究代表者

松本 妃可  九州大学, 大学病院, 医員 (40467915)

キーワードEr:YAGレーザー / 根管洗浄 / 化学的清掃 / NaOCl / キャビテーション
研究概要

この研究の目的は,パルス波レーザー照射による根管内洗浄効果のメカニズムを解明し、臨床において有効な操作法を確立することである。高速度デジタルカメラを用いて先端が84゜に加工さ-れた円錐型チップ(外径300μm)を装着したEr:YAGレーザを30,50,70mJの出力で照射(1pps)した際のトレーサー(ガラスビーズ)の動きを根管モデル内で捉えた。さらに、蒸気泡とキャビテーション気泡め様子を水中および透明模擬根管で可視化した。その結果、トレーサーによる液体の動きは、チップの位置によって影響を受けることが分か、っだ。すなわち、チップ先端が根管底部から2mmの位置では活発な液体の動きが観察されたが、0mmでは活発な動きは認められなかった。また、5mmではチップ周囲に流れが起こるが、根管底部近くではその作用は弱まった。50mJの出力時において、水中での蒸気泡は220μs後に最大の大きさに到達し、リンゴ状の形状を示した。その160μs後に蒸気泡は消失し、2次的な気泡は20μs後に出現した。その後も気泡の形成と崩壊を繰-り返し、最終的には600μsで全ての過程が終了した。根管模型内では、蒸気泡は700μsに渡って根管壁に沿って上方に大きく成長し、その後に多数の小型のキャビテーション気泡の形成と崩壊が繰り返し観察された。この過程が終了するまでに4,500μsを要し、出力が高いほど全課程は長くなった。以上の実験結果より、根管内におけるEr;YAGレーザーの洗浄メカニズムはレーザー誘発気泡の膨張と崩壊によって引き起こされる急速な液体の動きに依存していることが示唆された。パルス波レーザー照射による根管洗浄法は、有効に作用すると判断される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Visualization of Irrigant Flow and Cavitation Induced by Er:YAG Laser within a Root Canal Model using a Cone-shaped Tip2011

    • 著者名/発表者名
      Himeka Matsumoto, et al
    • 雑誌名

      Journal of Endodontics

      巻: 37 ページ: 839-843

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Er:YAGレーザーを用いた根管洗浄時の圧力波に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      坂田篤信, 他
    • 雑誌名

      日本歯内療法学会雑誌

      巻: 32 ページ: 101-105

    • 査読あり
  • [学会発表] 模擬根管におけるパルスレーザーの洗浄効果の評価2011

    • 著者名/発表者名
      松本妃可, 他
    • 学会等名
      第135回日本歯科保存学会秋季学術大会
    • 発表場所
      大阪国際交流センター
    • 年月日
      20111020-20111021
  • [学会発表] The Effects of Er:YAG Laser on Intra-canal Irrigation2011

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto H, et al
    • 学会等名
      15^<th> Biennial congress of the European society of endodontology
    • 発表場所
      Rome, Italy
    • 年月日
      20110914-20110917

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公開日: 2013-06-26  

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