レーザー照射による歯面へのう蝕病変回復過程を理解する目的で表層下脱灰を伴うヒト臼歯を用いて、CO2レーザー照射による歯質変化を非破壊的・経日的に観察し病巣域と石灰化度の変化を追跡した。実験は当病院で抜歯し本学倫理規定で使用が許可された大臼歯の平滑面白斑う蝕にフッ化ナトリウム塗布とレーザー照射の併用を経日的に行い、μCT画像と無機塩濃度変化を解析した。結果は照射試料と未照射試料の脱灰深度に有意な差があり、レーザー照射したエナメル質表面の色調は健常部分と類似し、μCT画像から深部の齲蝕病巣の再石灰化度に増量を認めた。本研究は表層下脱灰へレーザー照射と歯面塗布剤の併用が有効である可能性を示唆する。
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