漂白材が歯面に対する影響を検討するため、カンファスイおよび35%H_2O_2のエナメル質および象牙質の微小硬さ試験を行い、処理前後の微小硬さの変化を評価した。処理時間はエナメル質がvital bleachingを想定して1時間、象牙質はwalking bleachを想定して24時間とした。結果、エナメル質はvital bleachingを想定して1時間の処理後の計測を行った結果、35%H_2O_2群では微小硬さの低下率が約20%であるのに対しカンファスイは有意に低い低下率を示した。象牙質はwalking bleachを想定して24時間処置後の計測を行った結果、両群ともに50%を超える高い値であった。35%H_2O_2群の低下率と比較してカンファスイが有意に低い低下率を示した。カンファスイは象牙質表面の硬さを減少させるがエナメル質にはなんら影響を及ぼさないことが示唆され、この結果を考慮するとカンファスイはウォーキングブリーチ法への適応は適切でなく、vital bleachingに適した漂白材といえる。また、根面が露出した状態での漂白にも不適切であると言える。また漂白効果については以前表面の着色に対して確実に漂白効果が認められたが、変色歯に対しての漂白効果はさほど効果が認められなかった。これより象牙質の変色が強いもの、および細管の走行が不規則になっている歯に対してあまり効果は期待できないと思われる。ただ、入手が困難であるため今回は新鮮抜去歯を用いての漂白実験が出来なかった。今後臨床を見据えたヒト新鮮抜去歯での実験が必要であると思われる。
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