研究概要 |
本研究は, ヒト骨格筋幹細胞, マウスES細胞とiPS細胞を用いて, 象牙芽細胞へ分化誘導メカニズムを生化学的手法(RT-PCR, 蛍光免疫染色, ALP染色, アリザリンレッド染色, ウエスタンブロット法, プロモーターassay, FACSによる細胞表面抗原解析, Adhesion assay, Motility assay)を用いて解析し, 誘導法を確立する. さらに, 誘導された象牙芽細胞の細胞外マトリックスに対する運動能や接着能を解析し, ラットを用いたin vivoにおいて, 抜歯した臼歯部と切歯生活歯髄切断面に, 歯と象牙質の再生を観察することである. 平成24年度の具体的到達目標は, 分化誘導した象牙質・歯髄複合体をI型コラーゲンの人工細胞外マトリックス(ECM)と一体化させ, 8週齢の雄性Wister系ラットの抜歯した切歯生活歯髄切断面に移植して, HE染色による形態学的観察と未脱灰凍結標本のアリザリンレッド染色により石灰化能を検討する. さらに, 象牙質に特異的なマーカーであるDSPの発現を免疫染色法を用いて観察することであり, 以下の結果を得た. 分化誘導した象牙質・歯髄複合体のin vivo での石灰化能を検討した結果, ラット切歯生活歯髄切断面にアリザリンレッド染色陽性細胞が観察され, さらに, 象牙質分化マーカーであるDSP陽性細胞が観察された.
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