研究概要 |
【目的】高齢義歯装着者を対象として、捕食時の食品腔隙の調整力が、加齢と歯の喪失、義歯の使用によってどのように変わるのかを調べるため、本年度は使用予定のモーションキャプチャーの測定精度を検証と実験方法の確立を目的とした。 【方法】(1)被験者:健常有歯顎者3名(2)測定内容:食品空隙量(種々のサイズの食品を捕食するときの開口運動)(3)測定装置:(1)光学式3次元モーションキャプチャーProReflex(鼻尖とオトガイの皮膚に標点を貼付して測定)(2)6自由度顎運動測定装置TRIMET(歯牙(上顎切歯点・下顎切歯点)に標点シーネを取り付けて測定)(4)被験食品:直径6,9,18,24,27,30mm、厚さ5mmの円盤形の食物(リンゴ) 【結果と意義】(1)食品空隙は食物サイズに応じて変化した。食物の直径が小さい場合には比較的安定した量を示すが、食物サイズが大きくなると減少し、バラツキが大きくなった。 (2)実験系においては、モーションキャプチャーのカメラの位置を工夫し、TRIMETとの測定誤差を検証することができた。しかし、大開口時には、開口量の測定誤差が大きくなることが明らかとなった。そこで、歯牙固定の標点を製作してモーションキャプチャーで測定を行うことにした。義歯使用者に装着できる義歯鉤形態のシーネの試作を行った。 実験方法はほぼ確定することができた。
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