研究概要 |
インプラント周囲骨吸収の程度により,インプラントの除去が必要であるかを明らかにするため,雄性ビーグル成犬(3頭)を用いて,それらの両側小臼歯部(P1-P4)の抜歯を行い,インプラントを埋入するための無歯顎部を用意した.抜歯窩の治癒を待つために12週間を治癒期間とし,その後,左右無歯顎部に異なる骨吸収量を想定した3種類の深さの異なる皿状の骨欠損部(0,2.5,5mm)を付与した後に,同欠損部にブローネマルクインプラント(直径:3.75mm,長さ7mm,Ti UniteMarkIII,Nobel Biocare)をそれぞれに埋入した.その12週後に上部構造を装着することで咬合により生じる動的荷重をインプラントに与えた.上部構造装着8週後にカルセイングレーン(25mg/kg)を静注し,負荷後8-12週間の骨モデリングを標識した.負荷12週後に動物を屠殺し,インプラントを含む下顎骨の非脱灰研磨標本を作製して,(1)インプラント周囲骨組織の光顕的観察(2)負荷8-12週の海面骨における骨添加量の蛍光観察(3)皮質骨吸収量の計測の3つを評価し,インプラント周囲骨を組織学および組織形態学計測学的評価した.その結果,深い骨欠損を付与した部位に埋入したインプラント周囲骨に,動的荷重負荷後,高い骨吸収が認められた.しかしながら,インプラントの喪失は認められなかった.
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