研究概要 |
昨年度に作製した試料を用いて細胞実験および動物実験において検討を行った. 実験条件:(1)ポリリン酸結合型正分極処理連通多孔性アパタイト(2)ポリリン酸結合型負分極処理連通多孔性アパタイト(3)ポリリン酸吸着人工骨(4)連通多孔性アパタイト(control) 1.各条件のプレート状サンプルに骨芽細胞様細胞を播種,DMEM培地上で21日および28日間の培養を行った.その後,各観察時点における骨分化・石灰化促進効果をELISA法によるオステオカシンの測定およびアリザリンレッドS染色を行い評価した. 2.ラビット(6羽)大腿骨両側に骨窩を両側に2カ所ずつ形成し,各移植材を埋入した(Φ3×3mm,n=6).埋入から2週後,組織ブロックを採取し,脱灰標本作成後,組織学的および組織形態計測を行い,骨形成促進効果を評価した. 3.HBD犬顎骨(4頭)のP3,4部を抜歯行った後,両側の2カ所の抜歯窩に,各移植材(顆粒状Ψ:500μ,n=4)を埋入した.12週後,組織ブロックを採取し,脱灰標本作成後,組織学的および組織形態計測を行い,顎骨骨形成促進効果を評価した., 細胞実験ではcontrolに対して,条件(1),条件(2)および条件(3)群で骨分化促進効果がみられた.動物実験より条件群(2)がcontrol群に対して最も骨再生を促進した. これらよりポリリン酸結合型負分極処理連通多孔性アパタイトを元にしたバイオインテリジェント人工骨の創製を達成した.
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