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2010 年度 実績報告書

メカノセルバイオロジーを用いた口腔粘膜再生療法の開発と臨床評価

研究課題

研究課題/領域番号 22791897
研究機関九州歯科大学

研究代表者

正木 千尋  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60397940)

キーワード歯学 / メカノバイオロジー / 再生医学 / 細胞・組織 / シグナル伝達
研究概要

インプラント治療の適応拡大とともに,GBRや遊離歯肉移植術を併用することが多いものの,術後感染が起こることもあるため,軟組織の速やかな創傷治癒が強く望まれている.軟組織の創傷治癒促進に対し安全性の高い物理刺激などのメカノセルバイオロジーの応用が注目されているが,整形外科領域での骨に対するデータしか存在せず,口腔領域,特に口腔粘膜に及ぼす影響に関するデータの蓄積が必要不可欠である.そこで本研究ではメカノセルバイオロジーの中で低出力超音波に注目し,口腔粘膜に応用するための基礎的データを集積するとともに,臨床応用を目指すことを目的とし,本研究を行った.
1.マウス由来株化正常歯肉上皮細胞(GE1 cell)をプラスティックディッシュ上で1%FBS含有SFM-101培地中にて培養し,プラスティック下面から超音波ゲルを介して低出力超音波パルス(LIPUS)をパルス幅2ms,総出力240mWで15分間単一照射する.周波数を1MHz, 3MHz, 5MHzの条件下で照射したところ,3MHzの条件下で最も細胞増殖が良好であった.
2.周波数3MHzでの条件の下,GE1 cellにLIPUSを15分間単一照射し,12時間後に細胞を回収し,total RNAを抽出し,その後マイクロアレイ法を用いてLIPUS照射による42586種類の遺伝子発現の変化を網羅的に解析したところ,2.5倍以上up-regurateした遺伝子数が18,2.0倍以上up-regurateした遺伝子数が213であった.
3.Cadherin, Contactin, Claudinなどの細胞接着に関連する遺伝子発現の上昇が認められた.
以上より,LIPUS照射によりいくつかの遺伝子発現がUp-regulateされることが明らかとなり,粘膜治癒促進に関与している可能性が示唆された.

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公開日: 2012-07-19  

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