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2010 年度 実績報告書

アミノ酸誘導体による酸化ストレスの制御

研究課題

研究課題/領域番号 22791923
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

上野 剛史  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (30359674)

キーワード活性酸素 / 酸化ストレス / 抗酸化 / アミノ酸誘導体 / 軟骨細胞
研究概要

初年度は,外科的侵襲や炎症状態持に増加する活性酸素種により生じる酸化ストレスを実験的にシミュレートし,活性酸素種の細胞機能抑制効果を明らかにした.細胞は本年度初期に比較的入手しやすかったラット顎関節由来の軟骨細胞を用いて,実験的な酸化ストレス付与方法を確立したのち,アミノ酸誘導体(AAD)の投与方法を検討した.具体的には,過酸化水素により酸化ストレスを与えた細胞に対して,3段階の濃度勾配に設定したAADを付与した.まずAAD自体の細胞毒性について,フローサイトメトリーによるCell viabilityを評価することで毒性がないことを確認した後,酸化ストレスにより減少させられた接着細胞数,細胞増殖能,および分化機能に対する回復効果について評価した.その結果,酸化ストレスにより70%程度に抑えられたViable cell数はAADによりほぼコントロールと同等まで回復し,10倍増加されたアポトーシスも2倍程度の値まで減少させることができた.酸化ストレスにより50%程度まで減少した接着細胞数もコントロールと有意差のないレベルまで回復した.分化機能についてみると,軟骨細胞に特異的なコラーゲンII遺伝子の発現や,グリコサミノグリカンの生成量が,酸化ストレスにより50%以下まで減少させられたのに対し,AADの投与によりコントロールと同じかそれ以上のレベルまで回復させることができた.この得られた結果のメカニズムを考察する一つの方法として,細胞内活性酸素量および細胞内グルタチオン生成量を測定したところ,AADが細胞内における抗酸化システムに大きく寄与していることが示唆された.このように本年度は,一連の実験系を組立て,後述の研究発表の項にあげたように,ある程度の成果をあげることが可能であると判断されたので,現在は次段階の実験計画をたて,遂行しているところである.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] N-acetyl cysteine protets TMJ chondrocytes from oxidative stress.2011

    • 著者名/発表者名
      Ueno T, Yamada M, Sugita Y, Ogawa T.
    • 雑誌名

      Journal of Dental Research

      巻: 90(3) ページ: 353-359

    • 査読あり
  • [学会発表] N-acetyl cysteine protects function of TMJ chondrocytes from oxidative stress.2011

    • 著者名/発表者名
      Ueno T, Sugita Y, Yamada M, Igarashi Y, Ogawa T
    • 学会等名
      The IADR 89^<th> general session & exhibition
    • 発表場所
      San Diego
    • 年月日
      2011-03-16

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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