口腔がんの化学療法の奏効性やリンパ節転移を治療開始前に正確に予測できれば、口腔がん医療のオーダーメイド化が可能になり、最終的には口腔がんの治療成績と患者のQOLの向上をもたらすことが期待される。今回計画する研究は詳細な臨床病理情報が付随しているアーカイブの口腔がんのホルマリン固定パラフィン包埋組織を用いてプロテオーム解析を行い、口腔がんのリンパ節転移、化学療法奏効性、患者の予後が予測できる新規バイオマーカーを見出すことを目的としている。 1)試料収集・臨床データの蓄積 東京医科歯科大学において試料採取、匿名化、個人情報管理、検体保存を行う。試料採取に関しては、すでに東京医科歯科大学歯学部倫理審査委員会において研究のための試料採取が承認されている。試料は、(放射線)化学療法治療効果が著効、有効の群と、効果なしの群に分けて抽出し、保管・タンパク質抽出・解析に使用する。 2)FFPE組織からタンパク質抽出 各FFPE組織検体につき、癌細胞をマイクロダイセクトし、タンパク質をペプチドとして抽出する予定であり、東京医科歯科大学で未だ本解析に用いられていないLC-MS/MSでのテストランを行い、条件を検討している。マイクロダイセクションは、装置の不具合により効率が著しく低下しているため、装置の調整が必要となっている。
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