研究課題
平成22年度において、ラットより骨髄間質細胞細胞を単離・培養を行った。そして、この細胞を用いて組織工学的手法による再生骨の作製を行い、骨が異所性に再生したことを確認した、この再生した骨の標本を作製し、組織学的に観察すると、海綿骨様の組織が認められたが、皮質骨様の組織は認められなかった。次いで、自然発生した骨と再生骨に含まれているタンパク質の抽出をグアニジン、塩酸、酢酸、塩化ナトリウムを用いて段階的に行った。これら抽出したタンパク質を電気泳動法(SDS-PAGE)、およびウェスタンブロット法を用いてBSPタンパク質が含まれている分画を確認した。そして、再生骨に含まれるBSPタンパク質は、自然発生した骨とは異なる分子量を有していることが明らかになった。これら結果から、再生骨由来のBSPタンパク質に付加されている糖鎖、リン酸化が、自然発生した骨とは異なっている可能性が示唆された。また、再生骨におけるBSP遺伝子が、選択的スプライシングを引き起こしている可能性があることが示唆された。これらの結果の意義は、組織工学的手法を用いて再生した骨が、自然発生した骨とは異なる性質を有していることが示唆され、BSPタンパク質の機能であるコラーゲンとの結合、カルシウムの保持能の違いがある可能性が示唆された。今後、高速液体クロマトグラフィーを用いてBSPタンパク質の分離、精製を行い、その機能解析を行う。また、再生骨に含まれているBSPのmRNAの解析も行い、遺伝子的側面からの解析も行う。
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http://kenpro.mynu.jp:8001/Profiles/0067/0006785/profile.html